街頭のティッシュ配りで客を集めるには 何円かかるのか?

 通勤途中の駅前で何気なく受け取るポケットティッシュ。裏面には配布している広告主のメッセージが掲載されているが、その場で広告の内容を読む人は少ないだろう。しかしチラシとは違ってポケットティッシュがそのまま捨てられてしまうことは少ない。もちろんティッシュは広告主の負担によって無料で配布されているわけだが、まったく広告効果がなければ、毎日のように街頭で配られていることはないはず。実際のどれだけの効果があるのかは気になるところだろう。

その反応は業種や広告の内容によっても違うのだが、配布会社の話によるとラーメン店の新規開店用として割引券付きのティッシュを店前で配ったところ、百個に一人の割合で来店客が訪れたという。ティッシュ配りの定番業種ともいえる消費者金融会社では千個を配布して無人契約機の利用者が一人増えればOKとしている。確率からいえば99%〜99.9%のティッシュは配っただけで無反応ということになるが、それでも広告の費用対効果としては、他の媒体よりも十分に高いという。もしも自分が何かの店を開店する時には、ティッシュ配りなどとバカにせずに検討してみる価値は大いにある。

なぜそんな地味な広告に目を向けるのかというと、そこには個人情報保護の問題が絡んでいる。以前ならばリアルビジネスの集客術として、見込客となる消費者の自宅にダイレクトメールを郵送するのが一般的だったのが、現在では本人の承諾なしに見込客リスト(住所録)を作ることができないし、名簿屋からリストを購入するようなことがあれば、会社の信用問題にも関わってくる。つまりどんな方法であれ、未知の顧客に対する個人情報(名前や住所)を収集して、そこに広告を打つことができなくなってしまった。そこで個人を特定せずに“下手な鉄砲を数多く撃つ方式”の広告宣伝が見直されてきているのだ。

そうは言っても、広告予算には縛りがあるため、本当に“下手な広告”では困ってしまう。そこで広告をばら撒くとしても、できるだけ効率の良い撒き方にはどんな方法があるのかを経営者は常に模索している。その点からみて、ティッシュ配りの良いところは、個人情報には触れずに路上を歩く人の顔を見て“配るべき相手”を絞り込むことができるところだ。たとえば、美容室のティッシュは女性だけに配ればよいし、住宅会社なら家族連れに絞って配るのが効率的だ。1万個のティッシュを箱に詰めて「ご自由にお取りください」とやるよりも、千個のティッシュを人の目を利かせて配ったほうが広告効果は高い。

そんなことから、ティッシュ配りは最も原始的なダイレクトマーケティングといえるが、それ以外でも高い効果が期待できるリアル広告の開発には商機が見込める。一時期はネット広告ばかりに注目が集まったものの、店舗への集客にはリアル広告のほうが圧倒的に効果が高いし、その方法はローテクであるほどコストが安く済むという利点がある。そこに着目しているのは、リアルビジネスの経営者ばかりでなく、携帯サイトの経営者も含まれている。パソコンからのネットユーザーを集客するのは“検索エンジン対策で”というのがブームだが、携帯サイトへの集客に関しては、意外にもティッシュ配りを含めたリアル広告の打ち方に成否がかかっている。

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