墓石販売ビジネスのカラクリ

 販売不振で閉店した商業施設の跡地に建設工事の札が立ち、次は何ができるのかと期待していたら、なんと葬祭会館(斎場)だったという話が近頃では多い。それもそのはずで、昨年度に全国で行なわれた葬儀の数は約109万件で、これは結婚式(約73万件)よりもはるかに多い数である。近年では結婚式場よりも斎場に対する需要のほうが多いわけで、その傾向はこれから更に急ピッチで拡大していくことになる。ところが斎場の開発計画は近隣住民からの反対も強いため、かなりデリケートな問題になり、マンション建設以上の気遣いが求められる。そこで斎場開発の専門ノウハウを持つデベロッパー業者への依頼が葬儀社などから相次いでいるという。

斎場に限らず、お墓に関しても同じことがいえる。1960年頃から核家族化が進んだ日本では「お墓をまだ持っていない家」が非常に多いことから察すれば、これから亡くなる人の数が増えることで深刻な墓不足が起こることは決定的である。しかし葬式やお墓の問題というのは、普段から家族で話し合うことが少ないため、その時の準備が万全にできている家というのは少ない。

昔は子供が親を見送るものとして、親は「おまえに後のことは任せる」と託すのが普通だったため、子供はその時点で葬儀から墓守までの“後のこと”についてノウハウを学ぶ機会が与えられたものだ。しかし今は、親は遠くの実家に住み、子供たちは日々の忙しさに追われてそんな機会もないまま、いざ親の葬式の時には右往左往する羽目になる(このあたりの様子は故伊丹十三監督の映画『お葬式』で描かれていた)。だから業者の言いなりで葬儀に多額の費用をかけてしまうことになるのだが、じつはお墓に関しても似たような状況にある。住宅選びに賢さが求められている時代ではあるが、死後の住処選びに対してはまだまだ消費者の知識は浅いようだ。

そこでまず思い浮かぶのが、ネットで葬式や墓に関する情報を検索することだろう。業者もそれは想定済みで、霊園開発会社や石材業者、寺の住職までが“いらっしゃいませ”とばかりにホームページ上で様々な情報を提供している。数年前と比較すれば、この分野でもネットによる集客は飛躍的に進んでいるが、利用者の立場からすると、どの業者が信頼できるかがわからない。お墓の価格にしても土地と墓石を含めて2百万円以上するが、その金額が妥当なのか高いのか判断に迷うところ。この業界は“急な利用”が多いだけに、業者の言い値が通ってしまうというところが多分にあり、その内情がどうなっているのか語られることが少ない。もっと消費者寄りの立場でアドバイスしてくれる専門家が欲しいところだ。そこで調べてみると、死後のお世話をする専門家として起業することもできることに気付く。欧米ではそれが「死への準備とお世話=デスケアサービス」として成り立っている。


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